月別アーカイブ: 2017年9月

G-SHOCK×STASH、ブルーのスプラッター柄を配したコラボモデル発売

グラフィティアートをストリートファッションに落とし込んだパイオニアで、スニーカーカルチャーのアイコン的存在でもあるSTASH。1993年には「SUBWARE」というアパレルブランドを立ち上げ、著名なストリートブランドとのコラボレーションを精力的に発表している。

今回のコラボレーションモデルでは、ストリートシーンから高い支持を得るGA-100をベースモデルにセレクト。“グラフィティ・エレメント”から着想を得て施されたスプラッター柄を用い、ベースカラーのブラックに鮮やかなブルーを配し、絶妙なコントラストで色が飛び散る「色の混乱」を表現。さらにインデックスやインダイアルにもブルーをあしらい、STASHならではのクールでアーティスティックなデザインに仕上がっている。

さらに時計本体には、彼の代表作であるスプレー缶をモチーフにした専用ボックスが付属。裏蓋にもブランドロゴを刻印するなど、グラフィティアートの世界観を細部に至るまで具現化した一本となっている。

ルイ・ヴィトン×藤原ヒロシ、期間限定ストアが東京・原宿に – レザーグッズ、シューズ、ウォッチなど

秋冬メンズプレコレクションでキム・ジョーンズが注目したのは、1980年代のニューヨークのダウンタウンと、キース・へリングやジャン=ミシェル・バスキアなどを中心としたアートやそのコミュニティ。以前からニューヨークのサウンドやスタイル、また初期のヒップホップや世界中のアーティストたちのプレッピールックを東京に持ち込み、紹介してきた藤原ヒロシとのコラボレーションがコレクションの核となっている。

 

2人に共通するポップカルチャー、グラフィック・モチーフ、スポーツウェアの歴史、メンズウェアデザインのアイコンなどへの情熱が見事に融合したコレクションは、プレッピーの要素とフレッシュで大胆な刺繍とプリントが中心。レザーグッズやプレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチなどアイテムを展開する。

バッグは、軽量で柔らかいモノグラム・キャンバスを用いた日本限定のミニポーチ付き「カバ・ライト」を発売。ハンドル部分にはルイ・ヴィトンとフラグメントデザインのロゴが刻印されている。また、期間限定ストア限定のデニムをはじめ、世界の限定ストアのアイテム、国内でのみ展開の製品など多彩なアイテムを取り揃える。

スウェーデン発「ティッド ウォッチズ」の新作時計 – 光と影で姿を現す純白の文字盤

スウェーデン・ストックホルム発の時計ブランド「ティッド ウォッチズ(TID Watches)」から、ブランド初となるコラボレーションウォッチ「TID canvas」が登場。2017年4月21日(金)より、世界500本限定での発売となる。

2015年に日本本格上陸を果たした「ティッド ウォッチズ」最大の特徴は、判読しやすいダイヤル、使い勝手のよさを考慮しフェイスの左側に配された特徴的なリューズ、長さ調整も容易なベルトなど、性能を極限まで削ぎ落とし、必要な要素のみで構成したミニマルなデザインだ。

今回ブランド初となるコラボーレションの相手に選ばれたのは、同じくスウェーデン出身のデザインユニット「Form Us With Love」。白く澄んだパッケージをキャンバス=原画に見立て、スウェーデン出身の彼ららしく、静かな冬の朝にそっと輝く母国の雪をイメージした真っ白な文字盤をデザイン。光と影によってその姿を現す文字盤は、ミニマルさを特徴とする同ブランドらしい極めてシンプルなルックスだ。

サイズは36mmと40mmの2サイズ展開で、ベルトバックルとボックスにはそれぞれシリアルナンバーが刻印されている。

パワーリザーブインジケーター概論[① 指針式表示機構]

個人的な意見を言わせてもらうと、パワーリザーブ表示はいらないと思いますね」。そう語ったのは、ツァイトヴィンケルのメンテナンスを行う、ゼンマイワークスの佐藤努氏だ。

彼はその理由を3つ挙げる。ひとつは香箱から動力を取っている点。つまり、パワーリザーブ表示機構に問題があれば、時計自体が即止まってしまうことになる。もうひとつが、注油しないものもある点。

「一部の時計は、パワーリザーブ表示機構に油を注さないのです。おそらく、主輪列のように高速回転しないから、というのが理由でしょう。でも、香箱の動きを反映するので、パワーリザーブ表示輪列にかかる側圧は強いですよね。結果、パワーリザーブ表示機構は摩耗して、止まりの原因となる」

そして最後が部品点数だ。先述した通り、部品点数が少ないほど時計は壊れにくくなる。しかし、パワーリザーブ表示は針を進めるためと戻すために2系統の輪列を使う。どう簡潔に設計しても、部品点数は増えざるを得ないだろう。対して、多くの時計メーカーはシンプルなものを作ろうとするが、視認性は良くない。

「だから、個人的にはパワーリザーブ表示は好きではありませんね」とは、この卓越した時計師の感想である。

しかし、ツァイトヴィンケルのパワーリザーブ表示機構はよく出来ている、とも佐藤氏は語る。

「部品点数は少なくないのです。しかし、大事なことは、パワーリザーブ表示の輪列をバラして油を注せることです」

抵抗が少ないからパワーリザーブ表示機構には油を注す必要がない、というのが一部メーカーの見解である。とりわけ、メンテナンスの標準化が進む現在は、そうした傾向が一層強まっている。そのため、最近のパワーリザーブ機構の部品には、部品をカシメて、注油できなくしたものも増えてきた。こうなってしまうと、部品をばらすことはできないし、もちろん注油は不可能だ。設計上は問題ないのだろうが、物理的にトルクがかかる箇所はどうしても摩耗する。結果、時計はスタックしてしまう。佐藤氏が展開図を持ってきてくれた。

「これがツァイトヴィンケルのパワーリザーブ表示機構の設計図です。完全に油を注せるようになっているのがわかるでしょう? 注油するオイルは、メービスの9020系です」

ただし、設計は相当複雑だ。パワーリザーブ輪列は途中まで2系統に分かれている。ひとつは針を進めるためのもの、もうひとつは戻すためのもの。両者は遊星歯車を用いた切換車で1系統にまとめられている。その切換車は、ちょうど片方向巻き上げのリバーサーのように働く。順方向に動く場合は、回転運動をそのまま伝える。これはパワーリザーブ針を進める場合だ。逆方向に回る場合は、切換車がスリップして、回転をシャットアウトする。こちらはパワーリザーブ針を戻す場合の働きである。

ブランドイメージを変える時「第1回 モンブランの場合」

ここのところ、モンブランの動きがとても精力的だ。私たちに最もなじみ深い腕時計の分野では、先のSIHHで「スターウォーカー」コレクションの全面刷新に着手。モダンでありながらターゲットがあまり明確でない、つまり焦点が定まらない存在だったこのコレクションを、モーターレーシングというテーマに振った。その結果、いくつものコンペティターが即座に浮かぶスポーティなスタイルを獲得。さらに、ミネルバのイメージをそこにうまく忍び込ませ(ミネルバがストップウォッチのメーカーとして知られていた事実を思い出してほしい)、単なるスポーツウォッチにとどまらない、スポーツタイミングの歴史をも包含する重厚なイメージを作ることに成功したのだ。

さらに、25年前にはすでに展開していたレザーグッズのコレクションを拡充。レオナルド・ダ・ヴィンチが考案した絵画技法をレザーに落とし込んだ「マイスターシュテュック セレクション スフマート」は、最上質のレザーに4層のペイントを行って独特の陰影とグラデーションを表現。レザー工房をイタリア・フィレンツェに置くアドバンテージと相まって、同コレクションは2015年9月の発表以降、ロングセラーが続いている。ブリーフケースやトートといったラージレザーグッズから、ウォレットやビジネスカードホルダーなどのスモールレザーグッズまで商品構成は幅広く、適切な価格設定もあってか、モンブランの新しいイメージ作りに大きく貢献している。

パワーリザーブインジケーター概論[②ディスク式表示機構]

ノモスの「タンジェント デイト パワーリザーブ」は、1時位置の小窓からのぞくディスクの色の増減でパワーリザーブ残量を表示する。このモデルには赤色表示タイプと黒色表示タイプの2種類があり、ほぼ同じ機能だが、色の増減と残量の関係が反対になっている。赤色表示の場合は、主ゼンマイを巻く時、小窓の開いたディスクは、時計と逆方向に回りながら白色に変わっていく。主ゼンマイがほどける時は、小窓の開いたディスクのみが時計方向に回りながら赤色に変わっていく。主ゼンマイの残量がゼロになった時点で小窓はすべて赤色になる。一方の黒色表示の場合は、主ゼンマイを巻く時、小窓の開いたディスクは時計と逆方向に回りながら黒色に変わっていく。主ゼンマイがほどける時、小窓の開いたディスクのみが時計方向に回りながら白色に変わっていく。巻き上げ残量がゼロになった時点で小窓はすべて白色になる。

パワーリザーブ表示は大別すると指針式とディスク式があるが、ディスク式のメリットは少ない歯車で構成できるため(ノモスの場合は3つの歯車)、ムーブメントの厚さを抑えることができること。対して、指針式の場合は、メーカーにもよるが、12~15枚の歯車が必要になる。少ない歯車で表示できるということは、価格を抑えることにもなる。半面、デメリットは指針式以上に表示位置を香箱によって規制されること。香箱の上にディスクを配することで、スペースと部品点数を最も抑えることができるからだ。では、具体的な構造を黒色表示タイプで見てみよう。

パワーリザーブインジケーター概論[③ リニア式表示機構]

パネライ初の自社キャリバーP.2002。パネライが初めて設計・開発から手掛けた自社製手巻きムーブメントで、2002年から開発をスタートし、2005年に発表された。このキャリバーP.2000系のムーブメントは、同社の専門技術の粋を集めた完成度の高いムーブメントである。手巻き式、自動巻き式の違いはあるが、いずれも3バレルによるロングパワーリザーブを実現している。また、各キャリバーは、2枚の底板と1枚の上板の間に一連の小さな支柱を挟んでネジで固定するサンドイッチ構造を持つ。そのため、個々のコンポーネントを確実に固定できるメリットもある。さらに、P.2000シリーズを搭載する時計は、駆動しているすべての時間にまたがって、6つの姿勢差で検査が行われ、検査をクリアした固体にはクロノメーター以上の精度を証明する認定書が付与される。

キャリバーP.2002は3つの香箱によって約8日間のロングパワーリザーブを実現しているが、なんといってもその巻き上げ残量の表示方法が非常にユニークなのだ。ダイアルの6時位置に配されたリニア式表示機構、すなわち、指針が水平に移動することで主ゼンマイのエネルギー残量を表示するという仕組みである。パワーリザーブの表示方法には、ほかに指針式とディスク式が存在するが、水平に移動する表示方法は珍しい。よく見ると8日間を1日ごとに刻んだ表示で、あと何日間駆動するのかがひと目で分かるのが特徴だ。

【82点】オメガ/シーマスター アクアテラ

魅力的な駆動
2007年初頭、新作のデ・ビル アワービジョンでデビューして以来、オメガの自社製ベースキャリバー8500は、数多くのオメガ・ウォッチでその“職務”を果たしている。それを示す良い例が、この新しい自動巻きキャリバーを搭載し、デザインもシンプルになって08年にリニューアルされたシーマスター アクアテラである。先代モデルでは模様のなかった文字盤には縦のストライプ模様が刻まれ、日付窓のフレームは大きく隆起している。ファセットが施された日付窓のデザインは、極めて立体的なアワーインデックスと良く似合う。旧アクアテラでは、文字盤の外周に発光するポイントが配されていたが、新型ではこの場所に分を示す数字が5分ごとにプリントされ、夜光塗料はアワーインデックスに塗布されている。針も、センターにシンプルな折り目を入れただけの旧作とは異なり、ふたつのファセットを持ち、インデックスとの相性が完璧である。

文字盤と同様に高級感あふれる仕上がりを見せているのが、先代モデルのフォルムを受け継いだ直径41・50mmのケースだ。有機的なカーブを持つラグと、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げを明確に使い分けたケースサイドは、特に好ましいデザインである。唯一、ケースサイドからラグへの移行部で、加工時に求められる緻密さにやや難が感じられた。角度が狭く、この部分にはポリッシュに使うバフが届かなかったのだろう。この点を除けば、加工においても、設計の上でも、ケースは十分な説得力を備えている。設計上の特徴を挙げれば、両面無反射コーティングを施した風防、ねじ込み式トランスパレントバック、ねじ込み式リュウズがあり、これらの組み合わせによって150mの防水性が確保されている。
文字盤やケースに比べるとディテールの豊かさにやや欠ける感があるとは言え、高い加工品質はブレスレットにも観察することができる。重量感がありながら、それほど厚すぎないスティールブレスレットは、ビスで留められた堅牢なコマで構成されている。上面には隅々までサテン仕上げが施され、側面にはポリッシュ仕上げが掛けられている。

一長一短があるのは、ダブルフォールディングバックルである。ふたつのセーフティーボタンに至るまで、すべての部品がスティール無垢材から削り出し加工されており、フリップロックを廃したことから、バックルは手首の上で極めてエレガントに映る。しかし、ブレスレットの長さの微調整をバネ棒で合わせるタイプではないため、マイナスドライバーを使用してコマを取り外さないとサイズの微調整ができない。装着感は基本的に良好なのだが、マイナスドライバーがないと手首のサイズの微妙な変化に対応できないので、場合によっては不便さを感じるかもしれない。その上、ダブルフォールディングバックルは、セーフティーボタンで片側しか開かないので、ユーザーはもう一方を引っ張って自分で開かなければならない。

パトラビ エボテック デイデイトはサイズのわりに手首へのなじみが良い

緩慢なローター
「私たちは意図してETAプゾー7001に似せたわけではありません。選択した脱進機による必然的な結果なのです。私たちの選んだASUAG No.8は、ニヴァロックス社が製造する定評のある脱進機で、ETAプゾー7001にも搭載されています。この脱進機と必要なエネルギーおよび振動数から減速比が求められ、最終的にはこれらのパラメーターに基づいて輪列が定義されます。これをベースに歯形が算出され、最適化されるわけですが、この作業はTHA社(現CFBT社)で行われました」

では、技術仕様書が求める第2の点はいかに実現されたのだろうか。ブリッジやその他の部品を十分に鑑賞できる“進歩的な設計のキャリバー”については、伝統的な機構とは異なり、斬新なシステムを考え出す必要があった。大多数の自動巻きキャリバーに見られるような、ローターを中央に取り付ける従来の手法では、ムーブメントの一部が常に隠れた状態になってしまう上、ローターで隠れる範囲に付加機能を取り付けるのは不可能に近い。ローターをオフセットして取り付けた場合も同じである。地板に内蔵できるマイクロローターなら、他の部品を覆い隠すことはないが、サイズが小さいことから高い巻き上げ効率は期待できない。また、マイクロローターの場合は、ローターをかなり重く作る必要があるため、短期間で摩耗する恐れがある。最終的に、カール F.ブヘラの開発チームには第4の道しか残っていなかった。ムーブメントの外周を回転するローターの開発である。

この解決策では、良好な巻き上げ効率を確保しつつムーブメントへの視界を妨げないという、ふたつの利点を両立させることができる。少なくとも、理論上は可能である。我々のテストでは、キャリバーCFB A1001を効率よく巻き上げるには、動きを与え続けると効果的であることが証明された。カール F.ブヘラが設計したペリフェラルローターと古典的なセンターローターを比較すると、センターローターのほうがはるかに効率的に巻き上げることが分かる。特に、非常にゆっくりとした回転運動の場合、センターローターはペリフェラルローターよりも重力に引っ張られることが多く、常に地球の中心に向かって動こうとするが、カール F.ブヘラのペリフェラルローターはこれとは異なり、同じ位置にとどまっている時間がセンターローターよりも長く、ペリフェラルローターを動かしはじめるにはある程度大きな動作を与えなければならなかった。我々のテストのアドバイザーであるウィーン・ロースハウス、シューリン時計宝飾店のマイスター時計師、ミヒャエル・ベルナシェク氏は、この現象を詳しく検証したいと考え、自身の工房で実験を行い、一般に流通している複数のローターシステムを比較した。結果、ベルナシェク氏もやはり同じ見解に辿り着いた。

カール F. ブヘラ / パトラビ エボテック デイデイト

動作が鍵を握る自社製キャリバーのパフォーマンス
ブヘラグループは、2001年に新しく立ち上げた時計ブランド、カール F.ブヘラを一歩一歩着実に築き上げてきた。このブランドが自社製キャリバーを開発するという決断を下したのは05年のことである。時計ブランドがマニュファクチュールキャリバーを開発するには、基本的にいくつかの方法がある。ひとつは、1社あるいは複数のエボーシュメーカーにブランド専用キャリバーの開発、製造を依頼する方法である。ただし、この方法には、必要なノウハウの大部分がエボーシュメーカーのものになってしまうというデメリットがある。もうひとつは、最初から最後まで、すべてを自社で行う方法だ。だが、これには多くの時間とコストがかかり、牛歩に似た困難な開発過程を克服しなければならないのが常である。このほか、エボーシュメーカーを買収するのもひとつの方法だろう。

開発の条件は”進歩的な設計のキャリバー”

カール F.ブヘラの開発チームには当初から、第1号となるマニュファクチュールキャリバーが他社のどのキャリバーをも凌駕する存在でなければならないという条件が課せられていた。このことは、技術仕様書に極めて詳細に定義されている。「古典的な調速機構やスイス式レバー脱進機、受け石を使用した輪列など、伝統的であるが故に信頼性の高い技術を採用すること。ブリッジやその他の部品を十分に鑑賞できる進歩的な設計のキャリバーであること。付加機能を追加できるようなプラットフォーム的機能を有するムーブメントであること。信頼性が極めて高く、ベースムーブメントとして半工業的な製造が可能であること」。今日すでに経営陣から退いている前CEOのトーマス・モルフ氏は、これらの条件を実現するための土台を作り上げた。

その一環としてモルフ氏は、カール F.ブヘラに長年にわたり協力してきたTHA社(Techniques Horlogères Appliquées SA)をブヘラ モントルSAに吸収合併した。サントコアに本拠を置き、複雑機構などを製造していたTHA社の合併は07年7月1日に行われた。THA社は合併後、直ちに改称され、カール F.ブヘラ テクノロジーSA(CFBT=Carl F. Bucherer Technologies SA)となる。こうして、プロジェクトは遅れることなくスタートさせることができた。当時、トーマス・モルフ氏は自身の戦略について次のように語ってくれた。

「私たちは、パートナーと共同でカール F.ブヘラ専用に開発、製作したモジュールも含め、これまで実績のあるベースムーブメントを使用する一方で、カール F.ブヘラのコレクションの頂点を飾るために、自社製キャリバーや複雑機構を設計、製造することにしたのです」
当時は未来の音楽のように聞こえたこの計画が今日では現実のものとなり、マニュファクチュールキャリバーを搭載した1号機が09年、市場に送り出された。今回のテストウォッチである「パトラビ エボテック デイデイト」の内部ではCFB A1001という名のキャリバーが時を刻む。ペリフェラルローター、スモールセコンド、曜日表示、ビッグデイト表示機構を搭載した自動巻きキャリバーである。そればかりか、今年のバーゼルワールドではすでに第2世代も発表された。パワーリザーブインジケーターを追加装備したキャリバーCFB A1002である。技術仕様書に記載されたスイス式レバー脱進機や古典的なテンプ、受け石を使用した伝統的な輪列による「信頼性の高い技術」は、比較的簡単に実現できたようだ。これは、ムーブメントを見れば一目瞭然である。各部品のポジション、別の言い方をすれば、輪列や脱進機など可動部品の回転軸を見ると、CFBT社が信頼性の高い機構を採用したことがよく分かる。名高いETAプゾー7001との類似性は否定できない点だが、これについてはカール F.ブヘラの技術担当副社長、アルブレヒト・ハーケ博士も間接的ではあるものの我々の指摘に同意した。